都内ではめずらしい "お寺カフェ"

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「カフェテラス普賢寺」のある普賢寺は、新渡戸稲造や岡本太郎など、多くの偉人が眠る都営多磨霊園の東側に建立されたお寺。もともとは1469年(文明元年)に江戸本所(現在の浅草・本所)の隅田川沿いに開創されたことに始まりますが、数々の自然災害によって本堂は焼失。100年前に府中市の地に移り、現在に至っています。

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門扉に掲げられた小さな看板を目印に境内を訪ねると、左側にパラソルが見えてきます。ここが「カフェテラス普賢寺」の入り口。本堂へとつながる客殿の中にカフェがあります。

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境内を歩いていると、掃き掃除に勤しむ僧侶の姿が。この方が普賢寺の住職で「カフェテラス普賢寺」の店主でもある小野常寛さんです。「お寺や僧侶を身近に感じてほしいという想いから、カフェをオープンしました」と話す小野住職は、"開かれたお寺"を目指す、柔和な笑顔が印象的です。
2023年6月にオープンした「カフェテラス普賢寺」は、都内ではまだまだ数少ない希少なお寺カフェ。どのような雰囲気なのか、さっそく店内を訪ねてみましょう。

やわらかな光と緑に包まれた、畳敷きの落ち着ける空間

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玄関で靴を脱いで左側へ。畳敷きの大広間をカフェとして活用した空間は、窓から差し込むやわらかな光と四季折々の自然に抱かれた落ち着ける雰囲気です。

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廊下には本棚が設けられていて、旅にまつわる本やお茶などの趣味にまつわる専門書、おとなも楽しめる絵本など、ブックカフェのようにセンスあふれるラインナップです。それもそのはず、本のセレクトを担当しているのは、書店に勤めていた経験があるという小野住職の妻の恵利子さん。「時が経つのも忘れるくらい、楽しんで読んでいただけたらうれしいです」と話します。本の閲覧は自由で、貸し出しにも対応しています。

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窓際には、御朱印帳と筆ペン、お寺印、そして「好きな言葉を御朱印のように書いてみましょう」というメッセージが。御朱印帳を開いてみると、訪れた人たちの好きな言葉が綴られていて、読み進めるだけでも楽しいコーナーです。

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各卓には「りん」が置かれていて、スタッフを呼ぶときには「チーン」と心地よい音を鳴らします。さまざまな形のりんが置かれているので、異なる音色に耳を傾けるのも一興です。

一番人気は"梵字ラテ"。職人こだわりのコーヒーも絶品

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気になるメニューは、小野住職こだわりの素材や食材を使ったものばかり。一番人気の「梵字ラテ」(800円)は、ラテの上に描かれた梵字がフォトジェニックな一品です。古代インドで誕生した梵字は、神仏を一字で表した文字のこと。普賢寺のご本尊である不動明王を表す文字はオーガニックのココアパウダーで描かれています。

コーヒー豆は、座禅を日課にするという珈琲職人の岩山明さんがブレンドしたもの。一杯一杯ハンドドリップで淹れたコーヒーはブラックでいただいてもわずかに甘みが感じられ、時間が経っても酸味のない飲みやすさが特徴です。

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コーヒーやラテのおともには、住職がおすすめするアップルパイ(700円)を。香ばしく焼いたパイの中には青森県産のりんごがゴロゴロ入っています。蜜たっぷりのりんごとアイスは相性抜群。さくさくとしっとりのハーモニーもたまりません。

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和の雰囲気を心ゆくまで楽しむなら、お抹茶(700円)を点ててもらうのもおすすめです。お抹茶は京都に本店を構える日本茶の名店「一保堂」の薄茶。コクのある味わいにぴったりの和三盆の干菓子付きです。

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カフェのある客殿とつながる本堂は、気軽にお参りすることができます。椅子に座ってただ静かに流れる時間を過ごしていると、心と体が整うような感覚を覚えることでしょう。

お寺の雰囲気を味わうにも、ゆったりと過ごすにもおすすめの「カフェテラス普賢寺」。散歩を兼ねて、素敵な時間を楽しみに出かけてみませんか。

※価格はすべて税込。
※営業時間、メニュー、価格などが変更になる場合がございます。