LINEで送る父を継ぎ、脱サラしてパン屋に転身。2号店もオープン！
「ブーランジェリー テール・ヴィヴァン」は、店長・朝田大樹さんのお父さまが2005年３月に開いた。
「もともと父は包材屋で、ショップ向けの袋などを卸していました。パン屋さんにも知り合いがたくさんいたので、最初は手伝ってもらいながらでしたね」。
開店から３年ほどが経ったころ、当時サラリーマンだった朝田さんもお店を手伝うように。「スタッフが足りず、父に『手伝え』と言われて脱サラしました」。やがて息子に店を譲ったお父さまは、今もスタッフとして働かれているそう。
パン屋の仕事について、「楽しいことばかりではないです」と朝田さん。ただ「会社員時代は販売業務をやっていましたが、黙々とやるパンづくりのほうが性に合っている」と、もともとの職人気質に火が付き、腕を磨いたようだ。
店内は広々としていて、家族連れのお客さま向けのキッズスペースも備えられている。屋外には晴れた日に気持ちのいいイートインコーナーも。また、近所にアメリカンスクールがあり外国人のお客さまが多いため、フランスパンなどの食事パンを充実させているという。遠方から車で来店するお客さまもいるそう。
「ケーブルテレビの取材を受けたこともあります。ホームページもあるので、ネットを見て来られる方もいらっしゃるんでしょうか。ありがたいです」と浅田さん。
毎日100種類以上！新作は月10品が目標
では、このお店の特徴とは。
「数で他店と差を出しています。フランスパンだけで20種類弱、洋梨など季節もののデニッシュを10種類、ぜんぶで100種類以上つくっています」
新作のアイデアは、毎月10作が目標。「僕も考えていますし、各店舗でアレンジを加えたり、オリジナルのメニューを作ったりすることも。分担してパンづくりを行って、お互いに搬入し合ったりして協力体制を築いています」。
店長同士だけでなく、店長とスタッフの間も連携は深い。「お互いの関係はフラットに考えています。教えるだけでなく、僕が教わることもあります。新作のアイデアも、店長が決めるというルールはありません。スタッフにも好きなものをつくってもらっています」とのこと。
開店当初から大切にしているリッチな食パン
メニューの入れ替わりも多いが、長年親しまれている定番商品も大切にしている。中でも自慢は、店の名前を冠する食パン、「BTVブレッド」（１斤291円）だ。
「カナダ産の小麦と、バターをたっぷり使っています。これと同じ生地で、『ナンカレー』（200円）も出しています」。ふんわりした食感がやさしく、リッチな味わいである。
カレーパンも種類が豊富だ。「カツカレードーナツ」（220円）、「焼きカレードーナツ」（180円）などなど。中でも「半熟卵入りカレードーナツ」は、黄身がとろとろのゆで卵がまるまる１個入った人気商品である。
中に小豆がたっぷり入った「ミルク大納言」は、高齢のお客さまがよく買っていかれるそう。特大サイズだが、どれだけ食べても飽きがこない。もっちりした食感が楽しく、厚めにスライスしてトーストしても美味。小豆の代わりにうぐいす豆が入った「ミルクうぐいす豆」（１本560円、ハーフ280円）もある。
常にアンテナを張り、チャレンジを続ける朝田さんの店は、訪れる度に発見がある。それが、遠方からわざわざ通いたくなる魅力へとつながっているのだろう。 店の名前の「テール・ヴィヴァン」には、いろいろな意味が込められているそう。
「フランス語で『聖なる大地』という意味もありますし、僕の名前（大樹）にも少しひっかかっているんですよ」。 父から息子へと託された店は、しっかりとこの地に根を下ろし、大きな樹から枝を広げ、着実に成長を続けている。
※価格はすべて税込
※営業時間、販売商品、価格等が変更になる場合がございます。
※写真や記事内容は取材時（2016年11月24日）のものです。