炭火焙煎コーヒーのおいしさを広めたい

デナリコーヒーの豆はすべて炭火焙煎豆だ。コーヒーのサードウェーブと言われる今、浅煎りに注目が集まりつつあるが、深煎りの印象が強い炭火焙煎は正直めずらしい。

f4dae3637450f4d157a4e44d9b1ad18b.jpg

ecc68dcb359b71247bdaad761669f1d2.jpg

「私の弟が焙煎士で、豆はすべて前橋の工房で炭火焙煎をしているんです」と話すのは店主の櫻井堅二さん。「炭火焙煎の豆のおいしさをもっと知ってもらいたくて」との想いから、13年前よりこの地で喫茶店をはじめたという。弟さんは焙煎歴30年以上のベテランだが、一方の櫻井さんは、喫茶を始める前はパソコン関係の仕事をしていたそうだ。
「はじめたころは難しかったですね。弟も味をチェックするために何度も訪れていました」。今ではこの仕事が楽しくて仕方がないという。現在は櫻井さんの娘さんも店頭に一緒に立ち、店を切り盛りする。

4ef250b0b1111b1335fe2e69e147866e.jpg

遠赤外線効果で豆の個性を引き出す

炭火焙煎は、ほかの焙煎方法より数倍も手間がかかり、火力の調節が難しいという。しかし櫻井さんは炭火焙煎の魅力をこう教えてくれた。
「炭火の遠赤外線効果で豆が芯からじんわり火が入り、豆の成分が壊れにくいといいます。豆本来の味の違いもよく出ますし、焙煎後も日持ちがいいんですよ。それに炭火焙煎は深煎りというイメージが強いですが、同じ豆でも深煎り、中煎りと分けたりもしています」。

コロンビア、タンザニア、マンデリン、エチオピアの豆はコクと苦みがあるため深煎りに、グアテマラはフルーティな豆の個性を引き出すため、浅煎りにしてすっきりとした酸味に。炭火でこれらを調節するのは相当の技量がいることだろう。それに炭火焙煎の最大の魅力はやはり香ばしいフレーバーだ。飲んだあとに残る芳ばしさは炭火焙煎だから生まれる味わいだといえる。

8e5e801de6b0173c77c5042ce5abd94d.jpg

034015b806e31aed059db4a53f79c745.jpg

c36ec6d025d205ace1a6b88741215acd.jpg

淹れたての1杯。「モカマタリ」(350円)は中煎りのすっきりとした味わいのあと芳ばしい余韻が続く。炭火焙煎した豆は常時20~25種ほどがそろう。豆を購入する際には事前に無料試飲もできるというのは嬉しいところ。苦め、軽めなど自分の好みを伝えて選んでもらうこともできる。

bcd6c667bb742972197bc8a8fffd77fe.jpg

手作りの棚に飾られたコーヒーカップ

37f065bcfa128b50cbcce6acb635d9b8.jpg

店内にはコーヒーカップをはじめ、絵画などの作品が多数飾られている。コーヒーカップは有田焼、美濃焼、笠間焼、九谷焼など。これらはすべて購入可能。プレゼントにもおすすめだ。

喫茶コーナーは丸テーブルや長テーブルなどが不ぞろいに置かれている。店主の櫻井さんと話したいときはレジ近くの丸テーブルへ、ゆっくりしたいときは奥のテーブルへ。どの席もゆったりしていて居心地がいい。

73d37d8ceac816f244844afcb5e5f60a.jpg

ギターが置かれ、フリーライブが行われることも。また奥のテーブルでは週に1回スペイン語教室が開催される。地元の人たちが集う場としても重宝されている。店を訪れた作曲家が作ったデナリコーヒーの曲もあるのだそう。

もちろんメニューはコーヒーだけでない。喫茶メニューにはバタートースト、シフォンケーキ、そしてグルテンフリーのガトーショコラなどスイーツ系がオンリストされている。

dae34c21b97aea3328150ca154c24638.jpg

「うちにくるとお客さま同士が仲良くなるんですよ」という櫻井さん。取材時には毎日訪れているという常連さんもコーヒーを楽しんでいた。地元の人たちが集まり、会話に花が咲く。そんな時間を過ごせる店がある小川という街が豊かに感じた。

※価格はすべて税込
※営業時間、販売商品、価格等が変更になる場合がございます。
※新型コロナウイルス感染防止対策により、営業時間が変更になる場合があります。