武蔵野うどんらしさを追求した麺

福助は"武蔵野うどんらしさ"をとことん追求している。褐色がかった地粉100%の田舎うどんと、讃岐の製粉工場から仕入れている最上級の小麦粉を使った白うどんから麺を選ぶことができる。

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福助では、「噛みしめるたびに粉の香りが立つ無骨なうどん」を目指している。粉の味を楽しむため、大きな釜で茹で上げた麺は氷を使用せず、流水のみでしめるのが「福助」流だ。

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箸で田舎うどんを掴む。がっしりとしていて男らしい麺を口へ入れると、その香りの高さに驚いた。粉の香りが口いっぱいに広がって、鼻の奥深くまで染み入ってくる醤油ベースの肉汁に負けていない。「これぞ武蔵野うどん!」と主張している。そして福助のもう一つの柱、白うどんも絶品だ。

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一見すると讃岐うどんを思わせる白うどんだが、食べてみると良い意味で期待を裏切られた。一本がしっかりと太いため、一本ずつ噛みしめて食べる。「コシが強い」という言葉では片付けられないほどギュッギュッとした食感だ。あえてツルッとしたのどごしを出さないよう、熟成の行程に工夫があるという。どこまでも武蔵野うどんにこだわった熱意を感じられた。

昔懐かしい、粉の香りを楽しめる味

福助を切り盛りするのは、うどん屋を始めて13年目の相澤さんご夫婦。「近所のおばあちゃんが食べて、懐かしいと思える味にしたかった。しっかりと噛んで粉の香りを楽しんでほしい」という想いでスタートした。

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お客さまの半分以上は男性で、週末には親子連れも席を埋める。おとなでも食べるのに気合がいる無骨なうどんを、この街のこどもは有無を言わずに食べているそうだ。時には大盛を注文する子もいるのだとか。武蔵野うどんの文化があるこの街ならではなのかもしれない。

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昼間からお酒を楽しめるのも嬉しい。土日祝は女将さん手作りの一品がメニューに並ぶ。わざわざ遠方から足を運ぶ常連さんもいるそうだ。食材はもちろんのこと、お酒も自分の目で見て季節に合わせたものを選んでいる。

ポロっとこぼれる「おいしい」の一言

「インスタ映えするうどんではないけれど、味の記憶はしっかりと残したいです」と笑顔で話す女将さん。

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「ひとくち口に入れた瞬間、『おいしい』とこぼれてしまうような武蔵野うどんを届けていきたい」という想いは口だけではない。時には深谷までネギを、越生まで豆乳を仕入れに行くことも。週休二日だが、一日はお客さまのために動いている。 その誠意は、息をするのと同じくらい自然に「おいしい」の一言を生み出す。 やみつきになる噛みごたえと香り高い粉の味、そしてひたむきな武蔵野うどんへの愛情に触れられたことに感謝したい。王道の武蔵野うどんを食べたくなったら、福助まで。

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