高田馬場で開いた、本格タイ料理店の草分け

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「カオタイ」の開店は、日本にタイ料理店がまだ少なかった1993年。現在国内に約30店舗を展開する「ティーヌン」グループの創始者・涌井征男氏が、最初に開いた本格タイ料理の店である。
外観と内装もほぼ当時のまま。味も日本人向けのアレンジはしない。タイ料理のなかでも辛さと香りが豊かなイサーン(東北地方)料理が主体で、タイ料理を愛する日本人ファンから強い支持を集めている。

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店を切り盛りするのは、女性店主のサランヤ・ヌッチャンさんとその家族。
「学生時代によく通ってくれていたお客さまが、この間お子さんを連れて10年ぶりに来てくれて。変わってないな~、懐かしい!って。そういうお客さまが多いです。うれしいね」
来日13年、日本語もペラペラ。人懐っこい笑顔でお客さまをもてなしてくれる。

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味もコスパも大満足のランチタイムビュッフェ

「うちの名物はランチビュッフェ。味のクオリティと、リーズナブルな値段には絶対の自信があります。さあ、たくさん食べてって!」
タイ料理の定番グリーンカレー、ガパオライス、パッタイ。そして日替わりの揚げ物や炒め物、チャーハンやタイ風そうめんなど、12種類の精鋭メニューが端正に並べられていく。ハーブと香辛料の良い匂い! 食べ放題なのに、一切の手抜きの無さが食べる前から伝わってくる。
11時半のオープンと同時に、「待ってました」とばかりにたちまち店内は満席に。サラリーマンやOL、学生からこども連れの親子まで、思い思いの量でプレートに盛りつけていく。

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個人的に大好物のグリーンカレーからいってみよう。タイから輸入した厳選スパイスをじっくり炒めることで引き出した、ふくよかな香りにうっとり。ココナッツミルクの濃厚なコクと相まって、ジューシーなナス、チキンの旨みと絡み合う。ガパオや豚肉のレッドカレー炒めも実に丁寧に作ってあって、どれも大盛りで食べたくなるおいしさだ。料理を全制覇する前にギブアップしないよう気を付けなければ......。
心ゆくまで食べておかわりして、平日も週末も980円。タイ料理好きの食いしん坊にとって、至福の時間とはまさにこのことである。

店の実力をより堪能できるディナーの逸品

ランチビュッフェで「カオタイ」に惚れ込んだ人はディナーもぜひ。じっくり腰を据えて、この店の実力を味わってほしい。
もっともこだわりが見えるのがこちら、おなじみ「トムヤンクン」。まずはこの清々しい香りを、胸いっぱい吸い込んでからいただきたい。この清涼感は、たっぷりのレモングラス、こぶみかんの葉、ガランガル(ショウガ)でとったダシによるもの。唐辛子の刺激が和らぎ、殻付きのブラックタイガーから出るコクと一体になる。どこのタイ料理店にもあるトムヤンクン。でも「ここのじゃないとダメ!」とお客さまに言わしめる理由がよくわかった。

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「これはタイ料理が苦手な人でも、みんなハマっちゃう」。そうサランヤさんが太鼓判を押すのが「プーパッポンカリー(蟹のふんわり卵炒め)」。殻ごと食べられるソフトシェルをさっくり揚げて、炒めた玉ねぎやセロリとともに卵で和えたもの。蟹の濃厚な旨みとふわトロの卵、後引くカレー風味......日本人の味覚にドンピシャなのも納得だ。

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タイにいるような空気感と本場の味。それでいて、次訪れたときは「ただいま」と言いたくなるほど居心地のいい雰囲気だ。これから「今日はタイ料理気分」になった日は、真っ先に「カオタイに行こうかな」となりそうな予感がする。

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