誰でも気兼ねなく通える、心地いい店を目指す

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連日、多くの常連客でにぎわう「野方食堂」。名物の唐揚げをはじめとする和洋さまざまな料理は、どれも"飽きのこないやさしい味"と評判です。

創業したのは1936年。初代である祖父が食堂を立ち上げ、1978年に二代目の父が割烹屋として継承、そして2008年に、三代目の現店主・公和さんがお店を受け継ぎました。

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「こどもの頃から父に店を継ぐよう言われていたので、いつかはこの場で飲食店をやろうと漠然と思っていました」と話す公和さん。学生時代から先代の店の手伝いをしていましたが、大学卒業後は料理と関係のない会社に就職。サラリーマン時代を経て、25歳で本格的に料理の道に進みました。 

「父の代は割烹料理屋でしたが、私は原点に戻って食堂をやりたいと考えていました。食堂って、和食や洋食、中華など、言ってしまえばなんでもあり。料理のジャンルが決まっていないから、夢があるなと感じたんです」。

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自らの店づくりをしていくうえで大切にしたのが、"女性客でも利用しやすいか"という視点。2008年に店舗を改装した際は、「空間づくりにこだわった」と言います。

たとえば、お店の印象を大きく左右する床の色は、落ち着きのあるクリーム色をセレクト。さらに、ひとりでも気兼ねなく食事を楽しめるよう、テーブルはすべてふたり掛けのもので統一しています。

女性に優しい工夫はメニューにも。ご飯のサイズは普通盛りや大盛りだけでなく、大盛りの半分サイズの「半ライス」、半ライスの半分程(80g)の「ちょこっとごはん」まで用意されています。こちらは一緒にお店を支える奥さまのアイデアなのだそう。

レシピの基本を繋ぎつつ、時代に合わせて味を進化

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メインのメニューは定番や期間限定商品など常時約30種類がそろいます。加えて、約60種類の単品料理もラインナップ。唐揚げやナスみそ炒め、焼き魚に煮魚、オムライスやスパゲッティなど、ジャンルにとらわれない豊富なメニューに、思わず目移りしてしまいます。

「約90年の歴史がありますが、味付けを守るのが重要なのではなく、"作り方の基本は変えずに時代に合った味に変化させていく"ことが大切だと思っています」と公和さん。言葉の通り、提供する料理は、初代・先代から受け継いだ基本の調理方法はそのままに、現代の人がおいしいと感じられる味にチューニングされています。

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数あるメニューの中で不動の1番人気は、唐揚げと生姜焼きを一度に楽しめる「A定食」(1,070円)。先代のレシピをベースに改良を重ねて作り上げた唐揚げは、ここに来たら一度は食べたい逸品です。

「『野方食堂といえばこれ!』というメニューを作りたくて、さまざまな料理を試作する中で2010年にこの唐揚げが完成しました。お客さまの口コミでうわさが広がり、気が付いたら看板メニューになっていました」と公和さん。

大きな唐揚げにかぶりつくと、カリカリサクサクの食感の後に、醬油ベースのたれがしみ込んだジューシーな肉汁がジュワリと溢れます。思いの外軽やかで、ペロリと食べられてしまうはず。

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先代の時代から高い人気を誇る生姜焼きは、お肉の一枚一枚が厚く、食べ応え抜群です。おいしさの秘訣は、なんといっても焼き加減。豚肩ロースのやわらかくもちもちした食感と、生姜の効いた爽やかな味わいを楽しめます。

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こちらは三代にわたり受け継がれている「さば味噌煮定食」(910円)。豊洲市場から仕入れたさばは、肉厚でふっくらやわらか。秘伝のブレンド味噌は穏やかな味付けで、最後までさっぱりといただけます。もちろんご飯との相性も抜群!

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「初代のレシピを引っ張り出して蘇らせた」というのが、こちらの昔懐かしい「ナポリタン」(800円)。ノスタルジックなアルミの器も魅力的です。

初代のレシピでは魚肉ソーセージを使っていましたが、ベーコンにリニューアル。シンプルなケチャップ味に、唐辛子がピリリと効いたおとなの味わいがクセになります。

受け継いだバトンを守り、創業100年を目指す

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親子三代のバトンリレーによって受け継がれてきた野方食堂。本記事2枚目の写真に写っている、初代から店を見守ってきた"招き豚"、35年間使われたおたまなど、店に飾られたアイテムからもその歴史を感じられます。

「ひとつの大きな区切りともいえる創業100年まであと12年。その頃には僕も60代になっていますが、どんなスタイルであれお店を続けて、100周年を迎えたいですね」と、公和さんも笑顔で話してくれました。

親子三代がつないだ「野方食堂」のやさしい味を求めて、野方を訪れてみてはいかがでしょうか。

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