「誰でもウェルカム!」のフレンドリーなカフェ

2020年4月にオープンした「MIA MIA」。お店は駅のすぐそばで、丸型ロゴマークの看板が印象的です。赤いサッシや角丸のディスプレイウインドウに、アーチ型の窓など、店舗そのものもどこか懐かしさを感じるかわいらしい雰囲気に包まれています。

220218_036.jpgオーストラリア出身の店主・ヴォーンさんは日本でライターや音楽プロモーターなど幅広く活動中。妻で建築家の理恵さんと共に、いつか一緒にお店を開きたいと話していました。

「オーストラリアのカフェは個人店が多く、朝から晩まで開いていて誰が来ても迎え入れてくれるようなフレンドリーなお店が多いんです。カフェは特別な場所ではなく、家と同じように当たり前に帰ってくるところで、生活の一部。日本に来てからの15年ほどで1000店以上のコーヒー屋を巡りましたが、日本にはフレンドリーなお店が少ないと感じました。だからこそ、自分たちの街にもそんなお店があったらいいなと思っていました」。

そんな思いで物件を探していたところ、ブティックとして使われていた築50年の建物に出会い、その魅力に惹かれて東長崎の地でお店をスタートさせました。

220218_039.jpgお店に入ってみると、客席とカウンターに仕切りはなく、店員さんとの距離が近く感じます。

「人は話すことが大事。人が出会い、コミュニケーションをとることで何かまた新しいものが生まれます。だから、スタッフとお客さまも、お客さま同士もたくさん話してほしいんです」とヴォーンさん。

その言葉通り、店内には和やかな雰囲気のおしゃべりが満ちています。なかにはお店に入らず、アーチ窓の外から少しだけ会話をして帰る方や、「後で来るね」と声かけをしていく方も。帰っていくお客さまをスタッフは「いってらっしゃい」と見送ります。

220218_007.jpg無類のコーヒー好きでもあるヴォーンさん。バリスタのコーチには表参道と清澄白河で活躍中の「KOFEE MAMEYA(コーヒーマメヤ)」を迎えたという本格派です。

店内で提供&販売されているコーヒーもヴォーンさんが愛するお店のものばかり。浅煎り豆は北欧スタイルで人気の「FUGLEN(フグレン)」から、深煎りは渋谷の老舗「茶亭 羽當(はとう)」の炭火ブレンドと、群馬県を拠点に活動する10 代の焙煎士・岩野響さんによるものも。また、オーストラリア・メルボルンから初輸入となる「PADRE(パドレ)」の豆を取り扱っています。

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フードもドリンクも、たくさんの仲間によってできあがる

MIA MIA」のおすすめメニューは、「SNACK SET」(¥950)。カヌレ、ドーナツ、バナナブレッドのいずれか1点とコーヒーを組み合わせたお得なセットです。この季節には、苦味を感じつつもまろやかで飲みやすい「NICE LATTE(ナイスラテ)」(単品¥600)のアイスをセットにされる方が多いとのこと。カップにはスタッフの方がイラストを描いてくださいました。

220218_025.jpgカヌレは練馬春日町にある「コンビニエンスストア髙橋」から仕入れているもの。縁あって店主夫妻と仲良くなり、リスペクトしているお店のひとつです。

220218_019.jpgコーヒー以外にも名物となっているのが手作りシロップをソーダやお湯で割った「TODAY's SPECIAL」(¥600)。シロップはヴォーンさんの友人が2週間ごとにおまかせで作ってくれているもので、なくなり次第終了。その日その時で出会える味が異なる、まさにスペシャルな一品です。この日はオレンジ、アップル、シナモンの甘く爽やかなシロップでした。

220218_023.jpgインスタグラムのストーリーズにメニューをアップすると、すぐになくなってしまうという人気ぶり。「実はコーヒーより注文が多いかもしれません」とヴォーンさんも笑います。トーストに付けられる季節のジャムもこのご友人のお手製なのだそう。多くの仲間たちの手によって「MIA MIA」のメニューは完成しています。

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コーヒーショップがその街を明るくする

MIA MIA」のロゴや店内で販売されている帽子やTシャツなどのオリジナルグッズも、ヴォーンさんの友人のデザイナーたちが作ってくれたものばかり。「アーティストが多い街なので、毎日来てくれていたお客さまが実はデザイナーだったということも。フレンドリーなお店だから応援してくれているのだと思います」。

220218_017.jpg220218_009.jpg多くの人と常にフレンドリーに接してきた「MIA MIA」の視点で、東長崎の魅力的なお店や人を紹介したオリジナルマップ(¥400)も作成しました。こちらは長野県のイラストレーター・山本ひかるさんとのコラボレーションです。

220218_016.jpg「山本さんにも東長崎に来てもらい、1週間ほど取材をして作り上げました。この街やお店を知ってもらえるエピソードを詰め込んでいます。お店にいる時間だけでなく、家でじっくりと読み返してもらえるように思いを込めました」。このマップを持って東長崎を探索するのも楽しそう。

220218_035.jpgその街をちょっと明るくするのはコーヒーショップの責任だ、とヴォーンさんは話します。「街の掃除や毎日の挨拶も、そんなコミュニケーションのひとつ。自分たちのためでもあり、街の人たちの気持ちを明るくするためにも続けています」。

近くにはギャラリーショップ「I AM(アイアム)」もオープン。「MIA MIA」の建物をきっかけにたどり着いた東長崎で、活動の場を広げています。

「東長崎には面白い人たちがたくさんいます。でも、本当は気づいていないだけで、どの街にも面白い人はたくさんいるはずなんです。急いでいないならこのお店に何時間でもいてほしいと思っています。そして、どんなお店でも2回目、3回目と足を運んでいろいろな人と話をしてほしい。それは自分の人生のためにもなると思うんです」。

常に笑顔で熱い思いを語るヴォーンさんの朗らかな雰囲気に、引き込まれる人たちも多いはず。誰でもいつでも迎え入れてくれる「MIA MIA」にぜひ訪れてみてください。

※価格はすべて税込

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