讃岐うどんならではの歯ごたえ。こだわりの朝練り麺

「蔵之介」は、本場・香川の高松で修行をした大山浩さんが夫婦で営んでいる讃岐うどん専門店。2017年に10周年を迎えた後も、幅広い年齢層のお客さまで連日賑わっている。人気の秘訣はどこにあるのか、うどんを口にした瞬間に分かった。

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もっちりとした食感とプルンとした歯触り、この噛みごたえはクセになる。芯の部分までモチモチしていて、喉ごしの違和感が全くない。飲み込むのもためらうほど、ちょうど良い歯ごたえだ。女性客が多いのもうなずける。

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大山さんは毎朝、その日の天候によって国産小麦粉の配合や熟成時間を調整している。店によっては前日から仕込むこともあるが、大山さんは「朝練り」を選んだ。修業時代から変わらぬ手法だ。うどんの出来によってその日のテンションが揺さぶられるとのこと。言わずもがな、うどん中心の日々を送っているようだ。

ごくごく飲めるいりこの極上ダシ

蔵之介の魅力はもう一つある。いりこ(煮干し)をふんだんに使った香り高いダシだ。箸が止まらないのはもちろんのこと、ダシを飲むレンゲの手も止まらない。

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夏限定の「すだちひやかけうどん」(700円)。関東ではめずらしい"ひやかけ"スタイルで、食欲がないときでもツルッと完食できる味だ。

この日いただいたのは、冷たいかけうどん「ひやかけ」。「"ひや"ください」で通じるほど本場ではメジャーな食べ方だ。ひやかけ専用の濃いめのダシと麺が絶妙に絡み合い、引き締まったハリのある麺の食感がたまらない。初めてひやかけを食べたが、シンプルに「うまい」の一言に尽きる。ひやかけは6月~9月末の限定、是非食べてほしい一品だ。

香川の味を東京の人にも食べてもらいたい

昔から料理が好きだった大山さんは、自分の店を持つことが長年の夢だった。親戚に連れられて行った香川で、讃岐うどんと運命的な出会いを果たす。

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「『讃岐うどんってこんなに旨いのか』と驚きました。何軒もうどん屋を食べ歩いて、どうにかしてこの味を東京の人にも食べてもらいたい! と思ったのがキッカケです」と大山さん。

自分が食べた讃岐うどんの感動をそのまま伝えるべく、材料はすべて修業時代と同じ場所から仕入れている。違うのは水だけだが、香川と同じph値でうどんづくりをするために軟水器を購入した。自分のルーツはここにある、と徹底したこだわりがうどんに表れている。
唯一違うところと言えば、麺の盛り付け方だ。うどんを料理として魅せるために見た目の美しさも手を抜かない。

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人気の「冷 肉おろしぶっかけ」(900円)は牛肉を使用。重くなくあっさりとした味わい。

大山さんにこれからの展望を聞くと、こんな答えが返ってきた。
「お店を大きくしたい気持ちはないです。10年という節目を迎え、このままの味を、このまま伝えていきたいと改めて感じました」

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打ち立て・切り立ての様子を間近で見ることができるのも魅力の一つ。東京の人には本場の味を、本場の人には故郷の懐かしさを。こだわり抜いた香川の味を、これからも東京の地で届け続けてほしい。

※価格はすべて税込
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※写真、記事内容は取材時(2017年6月13日)になります。