秩父の伝統文化とともに名物グルメを味わう
「秩父新世界」は、「秩父豚肉味噌漬本舗せかい」の飲食部門として2020年にオープンしました。大正4年(1915年)創業の「せかい」は、精肉業を中心に古くから秩父の食を支え、親しまれてきたお店です。人気の秩父土産である老舗の味が食べられるとあって、観光客が多く訪れています。

外観は本店の「せかい」の建築様式をモチーフに、秩父の街並みに調和した佇まい。紺色の大きな店頭幕が目印です。

店内は明るく、1階と2階を合わせて48席と広々。2階のお座敷は障子窓が印象的な、和モダンの雰囲気です。

1階に展示されていた刺し子は、昔の消防団が羽織ったもので、お祭りでも使用されていたそう。他にも歴史ある洛中洛外の屏風など、秩父の歴史や文化が展示されているのも特長の一つです。

お話を伺ったのは店主の大島隆芳さん。
「自然の豊かな秩父には芝桜や武甲山などの見どころがありますが、おいしい食べ物も私たちの自慢の一つです。訪れる方には秩父の風土に育まれた食文化を楽しんでほしいと考え、直営の飲食店舗『秩父新世界』を開きました。名物の豚肉味噌漬けを味わいつつ、秩父の歴史なども感じていただけたら嬉しいです」
先人の知恵と当代の工夫が凝らされた味噌漬けのおもてなし
味噌漬けはかつて鹿肉や猪肉などの保存に用いられた秩父の伝統技法で、関東に馴染みのある豚肉に応用したのが現在の豚肉味噌漬けです。
「2種類の味噌を地酒で伸ばし、火入れして寝かせるという昔ながらの工程で作った味噌に、豚肉を最低3日間は漬け込みます。調味料の配合を変えるなど、現代の味覚の変化にあわせて工夫しながら作っています」と大島さん。

「せかい豚味噌丼セット」(860円~)は、丁寧に筋切りされたロース肉がやわらかく、味噌の豊かな味わいが楽しめます。お肉の下のご飯には特製のタレとキャベツの千切りが盛り付けられ、旨味と食感がアクセントに。甘みのある麦味噌のお味噌汁や酸味と旨味がある「しゃくし菜漬け」も、味が濃いめの豚味噌丼によくあいます。
豚味噌を心ゆくまで楽しめるよう、サイズは小(肉1枚・ご飯140グラム)から徳盛(肉6枚・ご飯520グラム)まで4段階で選べます。温泉卵やご飯、お肉の追加が可能なのもうれしいポイント。

「せかい和牛すき焼き重」(1,490円)は、甘辛のタレで味付けした牛肉と彩りのよいお惣菜で、お弁当としても人気の一品。大島さんのお母さんが作っていたすき焼きのレシピがベースになっているそう。牛肉の行商としてスタートし、すき焼きが看板商品だった古き「せかい」の味わいが受け継がれています。
裏手にある本店で「豚味噌漬」をお土産に

本店である「秩父豚肉味噌漬本舗せかい」は、「秩父新世界」の裏手にあり、お食事後にお土産を求めて立ち寄る方も多いそう。1階は改築されていますが、2階・3階は当時のまま。手すりや照明などに秩父の歴史的な風景が残ります。

豚肉味噌漬は「秩父新世界」の豚味噌丼と同じ薄切りのほかに、食べごたえのある厚切りも販売。創業100年記念で作られた「黒豚味噌漬」は、贈答用にも喜ばれるそうです。
「『秩父新世界』でのお客さまとのコミュニケーションはやりがいにつながっています。直接召し上がった感想が聞けるのはうれしいですし、味噌漬け作りのヒントにもなります。これからも秩父の食のおいしさを幅広く届け、秩父を盛り上げていきたいです」と大島さんは話します。
秩父を訪れたら「秩父新世界」で豚味噌丼を食べながら、秩父の歴史や地域の方々が紡いできた文化にも思いを馳せてみてください。
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