"ヤッホーな景色"を望むパン屋さん

220827-1teraa.jpg雄大な山々に囲まれた横瀬町には、自然を楽しむ人が数多く訪れます。そんな人々を惹きつけるパン屋さんが、ここ「ヤッホーパン」。キャンプの前に立ち寄って、パンを買って行く。山登りのあとに立ち寄って、テラス席でパンを味わう。そんなふうに楽しむお客さまも多いといいます。

220827-31teraa.jpg店主の日比谷さん(写真右)も、山が好きだったことからこの場所を選んだのだそう。

「物件を選ぶ前から、店名は『ヤッホーパン』にすると決めていました。空き家バンクでこの建物を見つけたのですが、すごく"ヤッホー"な景色だったので、ここに決めたんです」

220827-19teraa.jpgパンの香ばしい香りが漂う店内は、木の温もりが感じられる居心地のいい空間です。「人の家に来たときのような柔らかさや、誰でも入りやすい雰囲気をつくりたくて、あえておしゃれすぎない内装にしました」と話す日比谷さん。実はパン屋さんを始める前は、内装デザインの仕事をしていたといいます。

「新卒入社した会社で働いているとき、趣味でパン教室に通い始めたら、パン作りが面白くなっちゃって。パン屋になりたいと思い、会社は4年勤めて辞めました。それからパンの専門学校に通い、東京と長野のお店で修行をしました」

220827-15teraa.jpg日比谷さんが横瀬にやってきたのは2019年。友人が小鹿野町でゲストハウスを始めたことや、パートナーが先に小鹿野町に移住していたこと、「パン屋をやるなら秩父か川越がいいな」と思っていたことから、この地への移住を決めました。
それから1年半かけて物件を探し、2020年11月に「ヤッホーパン」をオープン。以来、地元の方や横瀬を訪れる観光客からまちのパン屋さんとして愛されています。

毎日食べても飽きない、体にやさしいパン

220827-21teraa.jpg店内にならぶパンは約35種類。そのすべてを日比谷さん一人で作っています。
「おいしい材料を使えばおいしいパンができる。ここのパンがお客さまの体を作っていると思うので、絶対に安全で、ずっと食べ続けても大丈夫なように、いい材料を使っています」
そう話すように、「ヤッホーパン」のパンは添加物不使用。全粒粉は埼玉県ときがわ町と、長野県上田市の農家からそれぞれ無農薬・無化学肥料の小麦を粒で仕入れ、工房で挽いて使っています。

220827-37teraa.jpg一番のおすすめは「キタノカオリの山食」(380円)という食パンです。希少品種である「キタノカオリ」をたっぷり配合し、バターの代わりに有機ショートニングを使用。植物性100%なので、ふんわりと軽やかで、小麦の風味をしっかりと感じられます。「高級食パンのように甘くてしっとりしたおいしさではないのですが、毎日食べられる、自然なおいしさだと思います」と日比谷さん。トーストして食べるのがおすすめなのだそう。

220827-36teraa.jpgハード系のパンも人気です。写真左の「ジャンボンブール」(450円)は、パルマ産の生ハムと無塩バターのシンプルなサンド。噛めば噛むほど味わいが増すパンに、バターのコクと生ハムの塩味が相性抜群です。

写真右の「ミルクフランス」(200円)は、全粒粉入りの軽めの生地に甘いミルククリームがじゅわっと染み込んで、まろやかな味わい。どちらも注文が入ってからひとつずつ作ってもらえるので、できたてを楽しめます。

小さな幸せを地域にばらまくパン屋さん

横瀬でパン屋を経営するということについて、日比谷さんは次のように語ります。
「横瀬には本格的なパン屋がなかったので、パン屋さんがあったらみんなが喜ぶだろうなと思いました。手のひらに乗る幸せを手軽に配れる、という魅力がパンにはあって、そういう幸せをばらまいて、この地域を元気にできたらいいなと思っています」

220827-8teraa.jpg「ワクワクするラインナップで、ずっとお店を続けていきたい」と話す日比谷さん。「ヤッホーパン」はこれからも横瀬に小さな幸せをたくさん届けてくれることでしょう。

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