130年以上前に建てられた日本家屋を改装した豆腐専門店
自然豊かな長瀞地区にある「お豆ふ処 うめだ屋」は、日本家屋の佇まいが印象的な豆腐専門店です。
養蚕業を営んでいた農家が自宅兼作業場として約130年前に建てたものですが、資材もそのままに長らく空き家になっていたそうです。店主である田中仁さんご夫妻がこの家屋を気に入って、豆腐専門店を創業したのが2009年のこと。お店の前には、養蚕業が盛んだった時代を偲ばせる道具がオブジェとして飾られています。
「お豆ふ処 うめだ屋」は、ランチが食べられる飲食スペースと、豆腐やおからを使ったお菓子を販売している売店スペースで構成されています。建物向かって右側の入口が飲食スペース。「豆ふ」の書が目印です。
店内に足を踏み入れると、田舎のお宅にお邪魔したような昔懐かしい雰囲気が広がっています。
「田舎っぽい雰囲気がかわいいでしょ」と、店主の田中さん。昔ながらの建物が醸す情緒もさることながら、厨房に掲げられたカフェカーテンや、畳部屋のテーブルに飾ってあるメニュー立てなど、ひとつひとつの小物が楽しく見ていて飽きません。
「お豆ふ処 うめだ屋」の店主の田中仁さんは、地中海料理のレストランでシェフとして腕を振るった経験を持ち、ワーキングホリデーでカナダに住んでいたこともある、好奇心の塊のような人です。そんな田中さんが奥さまと出会い、婚前旅行を兼ねて約2年間の世界旅行へ。旅先で豆腐を食したときに「いつか海外の人たちに日本人が作るおいしい豆腐を食べてほしい」と思ったことがきっかけで、豆腐を主体にした飲食店をスタートさせました。
季節の味わいが楽しめる「お豆ふランチ」
飲食スペースでは、季節ごとにメインの料理が異なる「お豆ふランチ」(1,250円)がいただけます。
取材に訪れた3月は「春のお豆ふランチ」が提供されていました。1,250円でこのボリュームはかなりお得です。
春のメインメニューは、「国産大豆 出来たておぼろ豆腐」。ぷるんとやわらかく、大豆本来の甘みが強く感じられます。何もつけなくても十分においしいのですが、醤油を少し加えることで旨みがさらに広がります。
「揚げたて がんもどき」は、そのメニュー名どおり、注文を受けてから揚げてくれるので熱々です。
豆腐を作る時にできる湯葉も刺身にしていただけます。醤油代わりに濃厚な豆乳がかけられているのが特徴。わさびを少し添えていただくとおいしさがさらに引き立ちます。
「惣菜三品」も豆腐づくし。おからサラダは、まるでポテトサラダのような食感が楽しい一品です。
ヘルシーなおからドーナツや焼き菓子も大人気!
建物向かって左側の入口が売店スペースです。ふたりも入るといっぱいになってしまうくらいの小さなスペースですが、冷蔵ケースにはその日の朝に作った豆腐や豆乳などがあり、ショーケースには揚げドーナツや焼きドーナツも。おからクッキーなどの焼き菓子も購入できます。バターや卵を使わずに焼き上げるお菓子は、おからの香ばしさや小麦粉の香りを楽しめる人気商品。
生地からお店で手作りしているおからドーナツは、大豆の甘みが感じられる「プレーン」(140円)のほかにも種類が豊富。いちごのチョコレートをコーティングした季節限定のおからドーナツも人気です。
そしてもちろん、お豆腐や豆乳も販売しています。写真上から時計回りに、濃い豆乳(290円)、もめん豆腐(270円)、おぼろ豆腐(320円)。
毎朝手作りしている豆腐の原料は、大豆と水と天然にがりだけ。おいしい豆腐を作ろうと試行錯誤を重ねていく中で、シンプルに作ることが最も難しく、しかし最もおいしい味に仕上がるとわかったのだそう。
国産の大豆と用いることで甘みやコクが増すとのこと。実際に食べてみると、なるほど大豆の味がしっかりと楽しめます。
一丁一丁に愛情をこめて丁寧に作られている「お豆ふ処 うめだ屋」の豆腐。長瀞に足を運んだ際は、職人の技と大豆のうまみを感じられる豆腐を食べに行ってみませんか。
※価格はすべて税込
※営業時間、販売商品、価格等は変更になる場合がございます。
※新型コロナウイルス感染防止対策により、営業時間やご提供する商品が変更になる場合がございます。