生まれ育った秩父に密着したパティスリーを

午前11時。柔らかな日差しが差し込む店内。かつて洋品店だった建物を改装した店内には、やさしい手づくり感が漂う。オーナーパティシエの諏訪千紘さんは埼玉県秩父郡・長瀞町出身。2015年、生まれ育ったこの土地に夢だった自分の店を開いた。諏訪さんは専門学校卒業後、都内のパティスリーで経験を積んだ後に渡仏。パリでの修業を経て思い描いたのは、秩父の町に根ざした菓子屋だ。

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「フランスの人にとって、パティスリーは生活の一部のような存在だった」と振り返る諏訪さん。「日々のちょっとしたご褒美や、甘いものを食べてホッとしたい日に、ケーキひとつ、シュークリームひとつでも、気軽に買いに来てもらえる店にしたくて。日常に寄り添うお菓子をつくりたいと思いました」

"一期一会"の出会いをお菓子に込めて

四方を山に囲まれた秩父。夏暑く冬寒い自然風土が、四季の豊かな恵みをもたらす。 「私が生まれ育った秩父の食材を使って、秩父の魅力をお菓子に込めたい」。それゆえ、ショーケースに並ぶタルトやショートケーキは流動的だ。

この日並んでいたのは、秩父産のイチゴ「やよい姫」や「シャインマスカット」を使ったケーキ。タルト生地やスポンジの上で、生き生きと映える果実たち。この店のお菓子には、この地の旬を感じられる"一期一会"の出会いがある。

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人気はやはり季節のタルト。「苺のタルト」と「シャインマスカットのタルト」の可愛らしさときたら、誰もが写真に収めたくなるだろう。そして、ひとくち食べて目を見開く。バターの香りが鼻腔を抜けるサクサクの生地、甘さ控えめでコクがあるカスタードクリーム、果実の酸味......うーん、完璧。バランスが見事なので、このボリュームでもまったく重くない。値段も申し訳なくなるほど良心的だし、ひとりでも迷いなく2個いけそう!

"ここだけにしかない"魅力は手みやげにもぴったり

タルトやショートケーキにすっかり魅入られてしまったが、季節の定番商品も見逃せない。この日のモンブランは2種類。宮崎産と熊本産の高級和栗、さらに和三盆を使って上品な甘さに仕立てた「モンブラン・ジャポン」。そして仏産マロンペーストを用いて伝統的な技法で仕上げた「モンブラン・パリ」。日本とパリで培った実力を、独自に高めて生み出した逸品が並ぶ。

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取材中も、お客さまが引きも切らずにやってきた。「お客さまとの会話やふれあいが、日々のモチベーションになっています」と話す諏訪さん。地元の常連さんはもちろん、秩父散策の際に立ち寄る人も当然多い。

「Spoon」のお菓子は、手みやげにしても喜ばれることこの上なし。自分が食べて大満足できることは大前提。さらに、その土地らしさ、季節限定の希少性もある。取材を終えた帰り道。電車に揺られながら、持ち帰ったケーキの箱を眺める。秩父をすっかり満喫した気になって、心が満たされた。

※価格はすべて税込
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